注意能力のどの側面に障害があるかによってその症状が異なってきます.注意の能力をどのように分類するかは様々ですが.ここでは注意の能力を便宜的に【覚醒】【集中的注意】【分割的注意】【持続的注意】の4つに分けて説明します.
ほかの対象を無視しながら特定の対象に注意を集中させる能力です.
集中的注意に問題がある人は気が散りやすく,今現在に行っていることとは無関係なことを無視することが難しくなります.
日常生活においては,たとえば家の中で誰かと誰かが会話を始めると,それまで呼んでいた新聞が読めなくなる.会話の途中に通り過ぎた人が気になって話が中断してしまうなどの問題が生じます.
同時に2つ以上の事柄に注意を払い,それらの事柄への注意を適切に切り替える能力です.
分割的注意に問題がある人は,2つ以上の事柄を同時進行することが難しくなります.
日常生活においては,講義を聞きながらノートをとったり,何種類かの料理を同時に作ったりすることに困難を示します.
分割的注意に問題がある人は,集中的注意には問題を示さないことが多くあります.
つまり,騒がしい場所でひとつの作業をすることはには問題がないけれども,複数の作業を行おうとするととたんに全ての作業が滞ってしまいます.
与えられた事柄に対して,長い注意を持続する能力です.
持続的注意に問題がある人は,何かをしていても考えがわき道にそれてしまい,心ここにあらずの状態になってしまうことが多々あります.
日常生活においては,会話をしていると最初は一生懸命に話を聞いていたのに,会話が長くなるにしたがって返答があいまいになってしまう.同じ作業を続けていると次第に作業ミスが出てくるなどの問題が生じます.
意識レベルの清明さのことをいいます.覚醒には日々の一貫した持続的覚醒と,その時々に出来事に対応する瞬時的覚醒の2つの要素があります.
何かをやっている途中にあくびしたり眠ったりしてしまう.問いかけに対してゆっくりとした応答がある,あるいは応答がない.ボーっとしているなどの問題があります.
また,あるときは反応が速いのに別の時には遅いというように,応答に一貫性が乏しい場合があります.
ある特定の状況に対して応答するように求められても,すばやく応答できない(たとえば,目の前に飛んできたボールをキャッチするなど).
腕をたたく,あるいは名前を呼ぶなどの手がかりに対して,すぐに応答できないなどの問題があります.