太宰治:「愛と苦悩の手紙」中、1946年4月30日河盛好造宛の手紙から抜粋
文化と書いて、それに、文化(ハニカミ)というルビをふること、大賛成。
私は優という字を考えます。これは優(すぐ)れるという字で、優良可なんていうし、優勝なんていうけど、でも、もう一つ読み方があるでしょう?
優(やさ)しいとも読みます。そうして、この字をよく見ると、人偏(にんべん)に、憂(うれ)うると書いています。
人を憂える、ひとの寂しさわびしさ、つらさに敏感なこと、これが優しさであり、また、人間としていちばんすぐれていることじゃないかしら、
そうして、そんな、やさしい人の表情は、いつでも含羞(はにかみ)でもあります。
私は含羞(はにかみ)で、われとわが身を食っています。酒でも飲まなきゃ、ものも言えません。そんなところに「文化」の本質があると私は思います。
「文化」が、もしそれだとしたなら、それは弱くて、まけるものです。それでよいと思います。
私は自身を「滅亡の民」だと思っています。まけてほろびて、そのつぶやきが、私たちの文学じゃないのかしらん。
ChatGTP曰く:「優(ゆう・やさしい)」の語源と意味
「優」という漢字には、「やさしい(温和・親切)」と「すぐれている(優秀・上品)」という異なる意味がありますが、どちらも語源的に深く関係しています。以下に成り立ちと意味の分化について説明します。
1. 字の成り立ち(会意形声文字)
「優」は会意形声文字で、構成は以下の通りです:
- 偏(にんべん):人を表す
- 旁(憂):音と意味を表す
「憂」は「心の上にあれこれと思い悩む様子」を表し、感情や思慮の深さを意味します。「人」を加えることで、「思いやり深い人」=「優」という意味になります。
2. 「やさしい」の意味と語源
本来「優」は、感情が深く、他人の気持ちに配慮できる人を表していました。そこから、「柔和」「親切」「穏やか」「上品」などの意味が派生し、「やさしい人」という意味になりました。
👉 「やさしい」は「思慮深く、他人を気遣うことができる人」から来た意味です。
3. 「すぐれている」の意味と語源
「憂」には「先を見通して配慮する」「深く考える」という意味があり、そこから「他よりも考えが深く、才能や能力がすぐれている」→「優れている」という意味が生まれました。
また古代中国では「優」は俳優・芸人を指し、「芸に秀でた人」という意味も持っていました。
👉 「すぐれている」は「思慮深さ」や「芸の高さ」への評価から来た意味です。
4. まとめ(対照表)
| 読み |
意味 |
語源的背景 |
| やさしい |
思いやりがあり、柔和な性格 |
「憂」→感情が深い→他人に配慮できる人 |
| ゆう(すぐれている) |
能力や芸が他より勝っている |
「憂」→思慮深い→知的・芸術的に高い能力 |
両者は共に「心の深さ」「思慮の豊かさ」に由来しており、そこから「他人への配慮(やさしさ)」と「優れた能力(ゆう)」へと分かれていきました。
GeminiFlash2.0曰く:「優」の語源と二通りの読み方
「優」という漢字には、ご指摘の通り「やさしい」と「すぐれている」という二通りの読み方と意味があります。これは、漢字の成り立ちと、時代とともに意味が派生していった過程に由来しています。
「やさしい」の語源
「優」の字の元々の形は、人が顔に何かをつけたり、装飾を施したりして舞を舞う姿を表していました。そこから、しなやかで優美な様子、動きがなめらかで美しい様子という意味が生まれました。この「優美な」という感覚が、次第に穏やかで思いやりがある、性質が穏和であるといった意味合いに転じていき、「やさしい」という読み方につながりました。
また、役者が演技をする際、観客を惹きつけるような柔らかな物腰や、相手を不快にさせない立ち居振る舞いが求められたことも、「やさしい」という語感に繋がった一因と考えられます。
「すぐれている」の語源
一方で、「優」が「すぐれている」という意味を持つのは、上記の舞を舞う役者や、芸能に携わる人々が、その道で抜きん出ており、高い技能を持っていることを指すようになったためです。
特に、古代中国において、優れた才能を持つ役者や演者を「優」と称しました。彼らは単に舞が美しいだけでなく、その技量や表現力が他の者より秀でていたことから、「優」が「優秀」や「優等」といった能力や品質が上であるという意味で用いられるようになりました。
まとめ
このように、「優」は元々、舞を舞う人の優美な姿を指す漢字でした。その優美さから派生して「やさしい」という意味が生まれ、同時に、舞の技量が高いことから「すぐれている」という意味も持つようになったと考えられます。同じ漢字でありながら、両極端とも思える意味を持つのは、このような語源の広がりによるものなのです。