大規模言語モデルのハルシネーション
徒然想
私:
LLMのハルシネーションについて解説してください
Gemini2.5Flash:
LLMのハルシネーションとは?
LLM(大規模言語モデル)におけるハルシネーションとは、モデルが事実に基づかない、誤った、または論理的に矛盾した情報を、あたかも真実であるかのように生成してしまう現象のことです。これは、LLMが「幻覚を見ている」ように見えることから名付けられました。
なぜハルシネーションが起きるのか?
ハルシネーションが発生する主な理由はいくつか考えられます。
1. 学習データの限界と偏り
LLMは膨大なデータで学習していますが、そのデータは完璧ではありません。
- 不正確な情報や矛盾: 学習データ自体に誤った情報や矛盾する記述が含まれている場合、モデルもそれを学習し、再現してしまう可能性があります。
- 特定の情報への偏り: 特定の分野や視点にデータが偏っていると、モデルはその偏りに基づいて情報を生成し、結果的に一般的な事実と異なる内容になることがあります。
2. パターン認識と創造性
LLMは、学習データから単語やフレーズの統計的なパターンを学習し、次に来る可能性が高い単語を予測することで文章を生成します。この「パターン認識」と「創造性」がハルシネーションの原因となることがあります。
- 流暢さの追求: モデルは常に最も自然で流暢な応答を生成しようとします。時には、事実よりも「それらしい」文脈に合う単語を選んでしまい、結果的に嘘の内容になってしまうことがあります。
- 知識の推論ではなく、単語の生成: LLMは「知っている」のではなく「予測している」に過ぎません。特定の質問に対する確固たる知識がない場合でも、それまでの文脈から最もらしい単語を繋ぎ合わせようとするため、架空の情報を生成することがあります。
3. 情報の鮮度と不足
学習データのタイムラグや、特定の領域における情報の不足もハルシネーションの原因となります。
- モデルが学習した時点以降の新しい情報については、正確に把握していないため、古い情報に基づいて回答したり、存在しない情報を生成したりすることがあります。
- ニッチな分野や特定の個人に関する情報が学習データに少ない場合、モデルはその不足を補うために「推測」で情報を生成してしまうことがあります。
ハルシネーションへの対策
LLMを開発・利用する側では、ハルシネーションを完全に排除することは難しいですが、その発生を抑制するための様々な対策が講じられています。
- RAG (Retrieval Augmented Generation) の導入: 外部の信頼できる情報源からリアルタイムで情報を検索し、その情報に基づいて応答を生成する技術です。これにより、モデルが学習データにない最新の情報や特定の事実に基づいた応答を生成できるようになります。
- ファインチューニングと教師あり学習: 特定のタスクやドメインに特化したデータでモデルを再学習させたり、人間が正しい応答を教え込むことで、ハルシネーションを減らすことができます。
- 出力の検証とフィルタリング: モデルの生成した内容が事実に基づいているか、矛盾がないかをチェックする後処理の仕組みを導入します。
- ユーザー側の対策:
- 情報の確認: LLMから得た情報は、特に重要な場面では必ず別の信頼できる情報源(公式ウェブサイト、学術論文、ニュースなど)で確認することが重要です。
- プロンプトの工夫: 具体的な質問や、参照してほしい情報源を明示するなど、プロンプトを工夫することで、より正確な回答を引き出す手助けになることがあります。
ハルシネーションはLLMの現在の課題の一つですが、技術の進化とともにその抑制に向けた研究開発が進んでいます。
私:
ハルシネーションは幻覚というよりもでっち上げではありませんか
Gemini2.5Flash:
ハルシネーションと「でっち上げ」
おっしゃる通り、LLMの「ハルシネーション」は、人間の「幻覚」というよりは、「でっち上げ」や「捏造」といった表現の方が、その現象の本質をより正確に捉えていると言えるかもしれません。
「幻覚」という言葉は、脳が外部からの刺激なしに感覚情報を生み出す、主に知覚的な異常を指します。人間の場合、幻覚は精神疾患や薬物の影響などで、実際にはないものを見たり聞いたりする状態を指します。そこには意図的な嘘や誤魔化しは含まれません。
一方で、LLMのハルシネーションは、モデルが学習したデータの中から最も「それらしい」パターンや組み合わせを選び出し、あたかも事実であるかのように出力してしまう現象です。モデルには意識や意図がないため、「嘘をつこう」という悪意があるわけではありません。しかし、結果として出力される内容は、事実とは異なる、あるいは存在しない情報であるため、人間から見ると「情報のでっち上げ」と受け取られます。
「でっち上げ」がより適切である理由
- 意図の欠如と結果の不正確さ:
モデルは「知っている」のではなく「予測している」に過ぎません。特定の事実に関する十分な情報がない場合でも、何らかの応答を生成しようとします。その際、文脈上もっともらしい単語やフレーズを組み合わせることで、事実とは異なる情報を「生成」してしまうのです。これは、学習データ内のパターンから「それっぽい」答えを紡ぎ出す、ある種の「創作」行為とも言えますが、その結果が事実と乖離している点で「でっち上げ」に近いと解釈できます。
- 根拠の欠如:
ハルシネーションによる情報は、外部の確固たる根拠に基づいているわけではありません。学習データの中の断片的な情報や統計的な関連性に基づいて「もっともらしい」形を成しているだけで、事実確認ができない、あるいは完全に架空の情報を生み出すことがあります。
- ユーザーへの影響:
ユーザーがその情報を真実だと信じてしまうと、誤った判断を下したり、混乱したりする可能性があります。この点でも、意図せずとも「誤情報を提示している」という点で「でっち上げ」に近い危険性を持っています。
まとめ
LLMのハルシネーションは、人間の幻覚のように知覚の異常を伴うものではなく、モデルの「予測」メカニズムの限界や、学習データの不足・偏りによって引き起こされる、事実に基づかない情報の「生成」です。
そのため、おっしゃるように「でっち上げ」という表現は、この現象の「意図しない情報生成」と「事実との乖離」という側面をより的確に表現していると言えるでしょう。この認識は、LLMの出力を利用する上で、常に批判的な視点を持ち、情報の正確性を確認する重要性を改めて教えてくれます。